ウェッジ積と反対称化¶
微分形式の積には、交代的なウェッジ積を用います。 1形式 $a$ と $b$ に対して、
$$(a\wedge b)_{ij}=\frac12(a_i b_j-a_j b_i),$$
となるため、$a\wedge b=-b\wedge a$ および $a\wedge a=0$ が成り立ちます。
Egisonでは、まず添字付きテンソル積を構成し、続いて dfNormalize により
その交代化された微分形式としての表現を取り出します。
$\mathbb R^3$ の座標1形式¶
順序付き基底 $(dx,dy,dz)$ の各基底1形式をベクトルとして表します。 幾何学的な設定を明確にするため、空間の次元と座標も明示します。
declare symbol x, y, z : MathValue
def N : Integer := 3
def params : Vector MathValue := [| x, y, z |]
def dx : DiffForm Integer := [| 1, 0, 0 |]
def dy : DiffForm Integer := [| 0, 1, 0 |]
def dz : DiffForm Integer := [| 0, 0, 1 |]
正規化前の添字付き積¶
正規化前のウェッジ積には、テンソル演算によって生成された順序付き成分が そのまま残ります。正規化の前にこの値を見ることで、内部表現の規約を確認できます。
dx ∧ dy
交代2形式¶
正規化すると、この成分は反対称行列全体に分配されます。 $(1,2)$ 成分と $(2,1)$ 成分は互いに逆符号となり、規約による係数 $1/2$ が付きます。
dfNormalize (dx ∧ dy)
反対称化は、同じ基底方向の重複も取り除きます。中間的な添字付き積 $dz\wedge dz$ には対角成分がありますが、微分形式として正規化するとゼロになります。
dfNormalize (dz ∧ dz)
したがって dfNormalize は単なる表示上の処理ではなく、添字付きテンソルを
その交代部分へ射影する操作です。正規化後のテンソルは、
$dx\wedge dy=-dy\wedge dx$ および $dz\wedge dz=0$ という幾何学的恒等式を満たします。