外微分と $d^2=0$¶
外微分は $k$ 形式を $(k+1)$ 形式へ写します。スカラー関数に作用させると、 勾配を表す1形式
$$df=\frac{\partial f}{\partial x^i},dx^i,$$
となり、任意の微分形式に対して基本恒等式 $d^2=0$ を満たします。
座標の選び方に依存しない実装パターン¶
Egisonのテンソル微分を使うと、偏微分演算子を座標ベクトルの各成分へ適用できます。 以下の多相的な定義は、スカラー値の式にもテンソル値の式にも利用できます。
declare symbol x, y, z : MathValue
def params : Vector MathValue := [| x, y, z |]
def d {a} (X : a) : DiffForm a := !(flip ∂/∂) params X
def f : MathValue := x ^ 2 + y ^ 2 + z ^ 2
$f=x^2+y^2+z^2$ の1回目の外微分は、動径方向の勾配1形式 $2x\,dx+2y\,dy+2z\,dz$ です。
d f
テンソル微分をもう一度適用すると、まず正規化前のヘッセ行列が得られます。 この中間結果は、まだ微分形式の交代部分へ射影されていません。
d (d f)
滑らかなスカラー関数のヘッセ行列は対称である一方、2形式は反対称です。 したがって、その交代部分への射影はゼロになります。
dfNormalize (d (d f))
この計算は $d^2f=0$ を座標で表したものです。混合偏微分は反対称化によって 二つずつ相殺されます。ヘッセ行列とその正規化後の形を並べることで、通常の テンソル微分と幾何学的な外微分の違いが明確になります。